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しんはーパパの毒吐く独白 〜僕と娘と時々うどん〜

40歳手前にして父となった私、しんはーの子育て日記です。娘かわいい。超かわいい。

父になるまで。 EPISODE.6

私の身に起きたアクシデントから復活するまで約1年。

気がつけば季節は2度の冬を越えて、桜の季節を過ぎ、緑鮮やかな初夏に入ろうかとしていた。

 

夫婦の間に時々、子供についての話題は出ては、悩み、落ち込み、自分を責める妻。

「もう子供なんていらないよ。夫婦2人でも幸せだよ。」

なんて事も話したことがある。

でも、そんな言葉で「そっか。そうだね。」と納得できるほど私たち夫婦の子供を持つことへの憧れというか、我が子という存在に会いたいという気持ちは完全に消えることは無かった。

 

そんなある日、妻から「生理が遅れてる。」という言葉。聞くと、予定より数日遅れてるらしい。

生理周期が狂うことが滅多にない妻にとって、これは珍しい事らしく、もしかしたら自然妊娠したのかも?と言う妻。

 

 正直なところ、この言葉に対して私の気持ちに陰りが過ぎったのを覚えている。

 

「これでもし妊娠していなかったら妻は、また傷つくんじゃないだろうか……。」

 

その思いを口に出せず「もう少し、様子を見ても良いんじゃないか?」と返事してしまった自分。

何より妻が傷つく姿をもう見たくなかったんだろう。

左右の卵管閉塞。自然妊娠は、ほぼ不可能。

私の中には、そうとしか考えられなかった。

 

「やっぱり、気になる。近いうちに病院行ってくるね?」

「そう。分かった。」

 

妻が産婦人科を受診する日の朝。

「病院、気をつけて行って来てね。」

とだけ声をかけて仕事に向かった。

どうか、今日のことで妻が悩み、傷つくことのないように。

そう願っていた。

 

午後の仕事に少々疲れを感じていた頃。

LINEの着信が入った。妻からだった。

一瞬、胸が締め付けられる。

 

落胆した妻からのメッセージが届いたのでは……。

そう思いながら、LINEを開く。

 

「妊娠していました!」

 

「えええええええええええっっ!?」

職場内だというのに大声を出してしまった。

何事かと一斉に視線を私に向ける同僚、上司。

 

「何だ!いきなりデカイ声出して!」

「あ、いや、そのスミマセン!あの、えっと、妻が……妊娠してたそうで……。」

「本当か!おめでとう!」

「良かったなー!」

 

不妊治療で何度か休みをもらっていたこともあり、不妊に悩んでいた私を知っている上司や同僚は、とても喜んでくれた。

 

LINEにはメッセージに続いて画像が送られてきていた。

これがエコー画像ってヤツか。

 

灰色のノイズのような画像。

その真中あたりに黒い小さな穴。

妻のメッセージによると、これが胎嚢というもので、そこに我が子がいる……らしい。

今は何も見えない。

 

父親になるの?

俺が?

マジで?

え、だって、自然妊娠は無理だったんじゃ?

卵管閉塞はどうなったの?

よくわかんないけど。

よくわかんない喜びが溢れてきた。

 

仕事を終えて、帰宅し、すぐに妻と話した。

二人でただただ喜びに浸った。

 

今朝までの妻とは別の存在のように思えた。

ちょっと雑に触れると壊れてしまうような。

そんな気がした。

 

妻のお腹の中に、私たち夫婦の宝物があるのだから。