父になるまで。 EPISODE.5
一度目の体外受精が失敗に終わった私たち夫婦。
二度目の体外受精をどうするか?と考えた結果、妻の提案で隣県の評判の良いクリニックに一度、説明を受けにいくことにしました。
自宅から高速で約1時間のクリニックは、外観、内観共にシックな雰囲気で、受付は、ちょっとしたホテルかなにかのフロントかと錯覚する感じでした。
約2時間、じっくりとクリニックの方針や体外受精の進め方についての話を聞き、その日は帰宅。
正直なところ、どういった話を聞いたか、今はもう覚えていません。
帰宅してから、妻と話し合い、通院に1時間以上かかる点。
これから冬になり、雪が降る地方であるため通院が困難になる点。
などを考慮し、二度目の体外受精については、先延ばしにすることにしました。
また、体外受精にかかる費用という点から、何度まで挑戦してみるか?
という話もしました。
妊娠するまで何度も行うといえるほど、我が家の家計、夫婦の年齢の問題は甘くありません。
とりあえず、我が家の貯蓄から100万円までを不妊治療に回してみようか?という方向で決めてみました。
ところが、その冬。
我が家に大きなトラブルが発生。
トラブルの詳細については省きますが、とても不妊治療を考えることが出来ない状態に陥りました。
正直、もう子供は諦めよう。
夫婦二人の暮らしだって幸せじゃないか。
子供が出来たからって幸せとは限らないじゃないか。
私の中には、そんな気持ちさえありました。